運賃・料金と等級制

 

1 運賃

 

国鉄はかつて三等級制であり、運賃は一等・二等・三等運賃に分かれていた。もっとも一等車は特急列車を除き、殆ど存在しなかったのが実情である。

戦前の官吏(国家公務員)は出張にあたり親任官は一等、その他の高等官は二等を利用した。二等を利用する高等官のうち勅任官は寝台を利用したが、奏任官は夜行でも座席利用だった。

 

昭和30(1955)年に二等級制になる。運賃も一等運賃と二等運賃になった。

旧一等と二等が一等(基本的に個室は旧一等、開放室は旧二等)、旧三等が二等である。

各等運賃の比較

 

通行税とは贅沢品に課される税の一つ。国鉄の優等車では税率10%である。

 

二等級制になった理由は

・身分制度の崩壊

・一等寝台は当時の航空運賃より高い区間も存在するため、航空機との対抗上値下げが求められた

などである。

 

 

2 急行料金

 

急行列車の乗車には急行料金を要する。また普通急行料金と特別急行料金に分かれる。

急行料金は速達サービスに対する対価であるため、遅延次第では払い戻しが行われる。払い戻し制度は後述の新幹線加算料金にも存在する。

急行料金も等級別に分かれる。

 

狭義の急行(普通急行)列車は普通急行料金、特急列車は特別急行料金が適用される。特別急行料金は普通急行料金の3倍である。

特急列車は原則として全車指定席だが、特急料金に指定席料金は含まれない。そのため別途指定席料金が必要(寝台車除く)であり、特急の乗車に必要な別料金は同区間の急行自由席の約4倍である。

特急列車はまさに「特別な急行」列車なのだ。

 

新幹線の乗車にはさらに新幹線加算料金が必要である。新幹線加算料金は普通急行「こだま」・特別急行「ひかり」ともに同額であり、同じ距離の普通急行料金と同等の金額を課す。