車両詳細・初期の形式一覧

 

   ここでは151系電車の詳細と初期に製造された各形式について述べる。

 

床下機器

 特別急行列車に用いるため、高速運転に充分な性能を持たせるとともにサービスの向上を図った。

 駆動方式は90系(後の101系)通勤電車で実現した中空軸平行カルダン駆動を採用、つりかけ駆動の旧型車両と比較して騒音や振動の低減を実現した。これを後述のMT46主電動機と組み合わせる。

   MT46は110kW級モータであり、90系製造にあたり開発された。90系は当初100kW級主電動機を搭載する全電動車編成になる予定だったが変電所容量の問題があったため8M2T編成に変更されることになり、また富山地方鉄道モハ14770形などで中空軸平行カルダン駆動方式に使用可能な110kW級モータが実現したこともありMT46は110kW級となった。

 通勤型101系や準急型153系と同じモータを搭載するが、歯車比は101系の15:83(1:5.53)や153系の19:83(1:4.37)より高速走行に重きを置き23:83(1:3.61)としている。

   台車は枕ばねに空気ばねを採用し乗り心地を改善、また110km/h運転に備え付随台車にディスクブレーキを採用して制動力を向上した。

   T車には大容量MG(電動発電機)を採用しサービス電源を確保、冷房化を実現した。ビュフェや後に登場する食堂車サシ151の電化キッチンも大容量MGの賜物である。

 

車体

   頑丈で火災に強い全鋼製車体ながら先進的なセミモノコック構造を採用し軽量化を実現した。また裾絞り形状を採用することで車体幅を2.9mとし客室幅の拡大を図っている。

   幅以外の寸法は全長が20.2m(車体長19.7m。これは東海道本線のホーム長を考慮して決定)、車体高は全員着席が前提ということもあり走行性能向上を図るべく従来より抑えた。

 特急列車に相応しい外観とすべく、美しさや空気抵抗を考慮した。先頭部は「流電」こと名車モハ52をオマージュした流線型であり、またスカートも装備する。塗装はクリームと赤の組み合わせであり、これを「流電」と同様な塗り分けとした。但し前照灯は夜間の高速運転を考慮し球切れに備え2灯としたため、裾絞り形状もあって本家52系と若干異なる外観になった。

 屋根は熱の反射を考慮し、世界初のアルミ蒸着ポリエステルフィルム仕上げとなっている(そのため従来の車両より屋根の色が銀白色に近くなった)。これにより清掃の容易化と塗装の省略も実現した。なおこれは女性が履く銀色のぞうりからヒントを得ている。

 電車を特急列車に用いるため、防音対策が図られている。前年登場の91系電車に引き続き点検蓋を廃止するとともに世界初の浮床構造を採用した。固定窓や多孔板も使用しており、これに関しては後述する。

 

 冷房車であるため、空調の効きが良くなるよう固定窓を採用した。また固定窓には騒音の低減や車体の軽量化といった長所もある。

 2等車(普通車)はコストカットと軽量化の観点から単板ガラス、1等車(グリーン車)は断熱・防音効果の向上を図る観点から複層ガラスである。

 

客室

 2等車は回転クロスシート(シートピッチの関係で任意での回転はできない)が22列で並ぶが、リクライニングはしない。座席表地は青色の合成繊維であり、背面裏側はコストカットのため化粧板仕上げである。テーブルは背面裏側に設けたが、車端の向かい合わせになる区画ではこれが使用できないため、急行型の153系に類似する小型テーブルを設けた。

 1等車は回転リクライニングシートが22列で並ぶ。座席表地はエンジ色のアンゴラ山羊モケット。テーブルは肘掛部分に装備する。

 床はグレーのリノリウム張り。1等車の通路は合成繊維製のカーペットが敷かれる。

 壁は2等車が薄緑色、1等車がクリーム色の化粧板である。また天井には防音のため国内初の多孔板を使用した。これはアルミ合金製の板に直径5mmの穴を無数に設け、裏に吸音材を張ったものである。

 照明は蛍光灯。2等車はグローブが無く剥き出し、1等車はグローブ付である。

 荷物棚は2等車が網棚、1等車がパイプ棚でいずれも金属製。照明ともども国鉄の標準仕様である。

 

空調装置

 夏季の空調に関しては、AU11冷房装置を1両あたり先頭車には5基、中間車には6基搭載する。冷房車であるため扇風機はない。

 暖房は、電気暖房を各座席下に装備する。この場合サロ1511両あたり暖房装置が26台となりモハ151などの40台と比較して少なくなるが、1等車は複層ガラス窓を備えるため2等車より断熱性が良好であり問題ない。また暖房装置の数は1人あたりで見れば1等・2等とも同数である。【ちなみに同じ区間を走る準急型153系のモハ153などは1両あたり24台であり、特急型151系の暖房能力にはそもそも余裕がある】

 換気はAU11冷房装置が通風器を兼ねる。また便所などには換気扇を装備する。

 

供食設備

 編成中2か所にビュフェを設置する。

   これは客室の窓が開かないため駅弁の購入が難しい本形式では売店を設置することが求められたためであり、また長距離特急列車に用いる上で供食設備を充実させる必要があった事情もある。

   売店のみならずコーヒースタンドとバーカウンターの機能を併設。朝に出発する列車では喫茶、夕方発の列車ではバーとしての役割を発揮する。

 

編成

 2等車の乗客が1等車を極力通らないよう、ビュフェで1等車を挟んだ8M6Tの14両編成である。後述各形式で構成された4M3T7両を1単位とし、2単位背中合わせとして点対称の編成とする。

 メーカーは第1・第2単位が川崎車輌、第3・第4単位が近畿車輌、第5・第6単位が汽車会社で第7単位が日本車輌である。当初は第6単位までで3社発注の予定だったが予備車確保の観点もあり第7単位も製造する方針に転換、端数となる7両が日車に発注された。この第7単位をルーツに持つ特7編成(パーラーカーなど組み込み後は特○編成と呼称)は唯一の日車製151系である。

   運用にあたっては2編成(4単位)が営業運転に就き1編成(2単位)遅延・故障時の代走のため待機、残り1単位が定期検査で入場する形をとる。

 各形式については下記参照。

 

クハ151114号車)

制御車。運転室の他に乗客専務車掌室を備える。2等車で定員68名。

洋式便所と洗面所を設置する。なおハザでは洋式便所は珍しい。

100kvAMGを床下に搭載し、それぞれ15号車と1014号車に旅客サービス用の電気を供給する。

 

モハ151241113号車)

パンタグラフを1基搭載する電動車。2等車で定員80名。

和式便所と洗面所を設置する。当時のハザは和式便所が主流であった。

 

モハ150351012号車)

パンタグラフのない電動車。2等車で定員80名。

ユニットを組むモハ150と同じく、和式便所と洗面所を設置する。

 

サロシ15069号車)

付随車で1等・ビュフェ合造車。国鉄電車史上初となる(広義の)食堂車である。

2等寄りにビュフェ、反対側(編成中央寄り)に定員24名の1等客室を配置する。

1等客室側の車端部に和式便所と洗面所を設置する。

クハ151・サロ151MGが故障した場合に備え、予備として100kvAMGを床下に搭載する。

 

サロ15178号車)

付随車だが回送運転台を装備する。1等車で定員52名。

洋式便所と洗面所を設置する。またビジネスデスクも設置している。

100kvAMGを床下に搭載し、それぞれ67号車と89号車に旅客サービス用の電気を供給する。